文武両道の大切さを学ぶ。
本校野球部1年生を対象に、本校と提携を結んでいるマーセッドカレッジ(アメリカ・カリフォルニア州)のスタッフである長野勇様に講演をしていただきました。テーマは「セカンドキャリアについて考える」です。
入学して間もない彼らに、「今の夢は?」と投げかけたところ、当たり前ですが、「甲子園出場」という答えが返ってきました。「高校卒業したらどうする?」という投げかけをしたところ、「まだあまり考えたことはない」という答えが大半でした。今回は、彼らに少しでも将来のイメージをわかせてもらうため、そして、選択肢はたくさんあるということを伝えるために、本校野球部のスタッフとマーセッドカレッジの皆様が協力して開催した企画です。
講演をしていただいた長野さん自身、高校時代は甲子園に出場する強豪校の野球部に所属をして、大学卒業後、北海道で教員として働き、野球部の監督を経験された方です。現在は、マーセッドカレッジでスタッフとして働きながら、カレッジの野球部のコーチを務めています。日米で野球に携わっている長野さんだからできる野球を通しての日米の違い、セカンドキャリアについての話を伺いました。多くの生徒が感心していたことは、アメリカの部活動では学習で結果を残せない学生は部活に参加できないことです。そのため、勉強も決して疎かにせず全力で取り組むそうです。メジャーリーガーの中には、契約の際にオフシーズンに大学に通うことができるということを含む契約もあるそうです。また、もう1つのキーワードとして、「自己管理」がありました。部活動の練習時間は週20時間以内という決まりがあるそうです。日本人から考えると大変少ないように感じます。練習時間以外で、個々が自分で考えて、いかに行動するのかが強く問われるそうです。日本のように先生やコーチが管理するのではなく、自分で自分を管理する。これができない選手は大成しないようです。
生徒の感想を紹介します。
「本日の話の中にあったように、野球だけではこの先社会に出た時にやっていけません。また、途中で野球を止めざるを得なくなった場合、何も残りません。だから、この先のために勉強が大切だと改めて思いました。そういう点で、アメリカの大学は勉強を土台として野球ができるとても良い環境だと思いました。」
「勉強は何のためにしているのか、今まで漠然としていたけれど、野球が終わった後のセカンドキャリアのために勉強するということが分かった。練習時間が短いということは、自由時間が長いため、その時間をどのように使えるかが大切になると思った。長聖高校も全体練習の時間はあまり多くないので、マーセッドカレッジと同じような環境だと思います。自由時間をどのように使うのかを予定を立てて生活していきたい。」
「アメリカの野球が知れてとても興味を持てた。自分の選択肢が増えたので良かったです。自分で考えて行動することが大事だと思いました。」
本校が掲げている目標「文武両道」の大切さを感じることができた1年生、これからの彼らの活躍に期待したいと思います。